熊野古道|那智山~速玉大社を巡る1日旅プラン

ソロ活

はじめに

熊野古道とは

各地から熊野三山へと続く参詣道

熊野古道とは、京都や伊勢など各地から熊野三山(熊野本宮大社・熊野那智大社・熊野速玉大社)へ向かう参詣道の総称です。
参詣道は大きく分けて下記の6つです。

熊野古道の6つのルート

「蟻の熊野詣」と呼ばれた人気の巡礼

「蟻の熊野詣」とは、まるで蟻の行列のように多くの参詣者が熊野へ向かった様子を表す言葉です。
火山活動が生み出した険しく豊かな自然を有する熊野は、
古くから“神々が宿る聖地”として信仰されてきました。
「険しい道を歩き切れば救いと安らぎが得られる」と信じられ、
多くの人々が熊野古道を訪れました。

世界でも珍しい「道」の世界遺産

熊野古道は、「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界文化遺産に登録されています。
熊野の大きな特徴は、宗教・身分・性別を問わずあらゆる人を受け入れてきたことです。
平安時代から現代まで、貴族や庶民、老若男女問わずに
多くの参詣者を受け入れてきました。
そして、「熊野・吉野・高野・伊勢」という異なる信仰の聖地を結ぶ点でも非常に珍しく、
その多様性や寛容性は世界的にも貴重とされています。

旅の目的

今回の旅では、熊野古道・中辺路を歩きながら、
熊野三山のうち「熊野那智大社」と「熊野速玉大社」を参拝することを目的としています。

ちなみに、熊野の「熊」は動物ではなく、

「隈(くま)」に由来する言葉で、「奥まった地」という意味があります。



旅の概要

ルート・所要時間

1.熊野古道(大門坂)

■所要時間
30分

■特徴
杉並木と石段が織り成す神秘的な空間。

2.那智大社

■所要時間
30分

■特徴
463段の石段を登った先にある熊野三山1つ

3.青岸渡寺

■所要時間
10分

■特徴
木の温かみが醸し出す、素朴で美しい建築

4.那智の滝

■所要時間
20分

■特徴
落差133mから勢いよく落ちる、迫力ある姿

5.神倉神社

■所要時間
45分

■特徴
急こう配の長い階段の先にある絶景

6.熊野速玉大社

■所要時間
15分

■特徴
朱色が鮮やかな熊野三山の1つ

体験レポート

7:34 新大阪駅出発

特急くろしお号で、紀伊勝浦に向かいました。
紀伊勝浦までは4時間あるため、
PCで作業をしつつ外の景色を楽しみながら、のんびり向かいました。

11:50 紀伊勝浦駅到着

紀伊勝浦に到着後は、バスで大門坂を目指します。
ただ、この日は3連休ということもあり大勢の観光客で
バスはぎゅうぎゅうでした。

12:15 大門坂に到着

満員電車に揺られながら、なんとか大門坂のバス停に到着しました。
熊野古道にはトイレがないため、まずはここでひと息。
その後、少し歩くと熊野古道の入り口「大門坂」にたどり着きました。

参詣者を出迎える巨大な夫婦杉

大門坂の入り口には、「夫婦杉」と呼ばれる巨大な杉があります。
生で見るとその大きさに圧倒されます。
まるで人間の世界と神々の世界との境界を守る番人のようです。

神秘的な空気が漂う熊野古道

杉並木に囲まれた石畳の階段には、
どこか神秘的な雰囲気が広がっていました。
その道を歩いていると、日頃のストレスや悩みが軽くなっていき、
心が澄みわたるような気持ちになります。
かつて多くの人々が列をなしてここを通った理由が、
少しわかった気がしました。

12:55 熊野古道から那智大社を目指す

熊野古道を登り切った後は、那智大社を目指しました。

想像以上に長くキツイ階段

那智大社へ行くには、467段もの長い階段を上る必要があるのですが、
これが想像以上に大変でした。
那智大社は熊野三山の一つなため、
観光客が沢山いるのですが、
参道の各所から息切れや疲労の言葉が聞こえます。
かくいう私も息も絶え絶え、那智大社に向かいました。

13:00 那智大社に到着

景色が最高!

那智大社は標高500mの場所にあるため、
そこからの景色は、参道の疲れも吹き飛ぶ絶景です。

賽銭箱の前に長蛇の列

有名な神社ということもあり、那智大社の前には参拝を待つ人々の長い列ができていました。
時間がなかったため、私は参拝をあきらめて次の目的地へと向かいました。

13:10 青岸渡寺に到着

木の温かみを感じる建築

青岸渡寺は、那智大社のすぐ隣にあります。
本堂は「素木造り」と呼ばれる、
木の本来の色や質感をそのまま活かした工法で建てられています。
そのため、当時の技術や木の温かみが感じられます。
私は、華やかな建物よりもこのように自然を映す建築が好きなので、
青岸渡寺の素朴な美しさに心を奪われました。

「黒飴ソフトクリーム」を食べながら一休み

青岸渡寺のそばにある売店で、
「黒飴ソフトクリーム」という珍しいメニューを見つけました。
見たことがない味で気になったため、休憩を兼ねて買ってみることに。
バニラより甘さが控えめで、とてもさっぱりしており、
食べやすい味でした。
※あまりのおいしさに、撮影する前に食べてしまいました…すみません。

13:30 三重塔の前を通り、那智の滝へ

ここでもキツイ階段がお出迎え

那智の滝へ向かうには、
那智大社の参道とは逆に、長い階段を下る必要があります。
しかも、角度が急なところもあるため、
膝への負荷が大きいです。
ソフトクリームで回復した体力を使い、
何とか那智の滝に向かいました。

13:45 那智の滝に到着

滝から発せられる圧倒的迫力

三重塔から那智の滝は見えたのですが、
その際、正直、滝が細く迫力に欠けると思っていました。
しかし、近くで見るとそんな思いは吹き飛ばされます。
高さ133mから一直線に勢いよく落ちるその姿は、
圧巻の一言!!
昔の人が信仰の対象としたのがわかる荘厳さがあります。

寿命が延びる水

那智の滝に向かう途中に、
延命長寿の水とも伝えられている那智の滝の水を飲める場所があります。
なんとこれは、空のペットボトルなどに組み放題!
また、入り口でボトルを購入することができます。
しかし、金欠で空のボトルももっていない私は
泣く泣くそこは断念。
今度来る際は、必ず空のボトルをもってこようと思います。

虹のかかった那智の滝

その日は天気もよかったおかげか、
那智の滝に虹がかかっていました。
ただでさえ神秘的な滝に、虹があわさると荘厳さが増します。
貴重な姿をこの目でみることができ、
とても満たされた気持ちになりました。

15:00 神倉神社に到着

那智の滝前バス停から那智駅で下車。
その後、新宮行のバスに乗り換え神倉神社に向かいました。

想像以上の急こう配!神倉神社の階段

正直に言います。
事前に調べていたので、神倉神社には急な階段があることは知っていました。
しかし「大変そうだけど、まあ大丈夫だろう」と軽い気持ちでいたのです。
しかし、実際にその階段を目の前にした瞬間、その考えは一瞬で吹き飛びました。
下から見上げてもどこまで続くのかわからない階段。
もはや「登る」というより「這い上がる」が正しいほどの急こう配。
気を抜くと落ちてしまいそうで、本当に怖かったです。
大門坂や熊野古道の階段が可愛く感じられるほどでした。

疲れも吹き飛ぶ!絶景とご対面

五百数十段の急峻な石段を登った先には、
市街を一望できる絶景が待っていました。
疲れも忘れてただ見入ってしまいました。

下りは「女坂」へ。選べる下山ルート

登ったからには、もちろん下らなければなりません。
あの急こう配を降りることを想像すると、
急に現実に引き戻されます。
ただ、下りは途中から「女坂」という山道で迂回できます。
階段が怖い人にはありがたいルートです。

実際に私も女坂を使ってみましたが…これがまた手強い。
階段こそないものの、整備が行き届いていない山道を
くねくねと下るので足元が安定しません。
もしかすると、石段を下りたほうが楽だったかもしれません。

15:55 熊野速玉大社に到着

神倉神社から熊野速玉大社へは、ほとんど真っすぐの道を歩いて到着しました。
急な階段もなく、平坦な参道が続くため、本殿まではあっという間。
神倉神社の後だったこともあり、拍子抜けするほどスムーズに着いてしまい、
なんだか不思議な感覚でした。

16:30 新大阪への帰路に着く

熊野速水大社から新宮駅までは15分程度で到着しました。
そこから電車で紀伊勝浦に向かい、
特急くろしおに乗り換えて新大阪に帰りました。

まとめ

一度は行ってほしい熊野古道

熊野古道は、YouTubeでも「人生で一度は歩くべき」と紹介されることが多い場所です。
行ってみると、その言葉の意味がすぐにわかりました。
杉の木々に包まれた石畳の道は、どこか神聖で、
歩くだけで心が満たされていきます。
登りきったあとには、心が洗われたような爽快感がありました。

服装は「動きやすさ」を重視!

熊野古道や那智大社、那智の滝、神倉神社では、
長く急な階段を上る場面が多くあります。
そのため、訪れる際は動きやすい服装がおすすめです。
体力を使う場所も多いので、無理をせず休憩を取りながら楽しんでください。



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